「おねぇさん!」と貴男は仰った。
だいぶ気分が良い。
「おねぇさん!」と呼ばれているからだ。
今のユニットでお一人だけ、「おねぇさん」と呼んでくださる利用者さんがいらっしゃる。
だいぶ気分が良い。
こんなに気分が良くなるってことは、それだけ歳をとったからだ。
20代のときに「おねぇさん」と呼ばれてもそれが当たり前だったから。なんとも思わない。
そして、私は長女。「おねぇちゃん」と呼ばれ慣れていたからね。なんとも思わない。
今は良い気分になる、だいぶ。
歳をとるのも悪くないねぇ。
だいぶ気分が良い。
あっ、ちなみにうちのユニットのスタッフは、熟女揃いでして。唯一の20代女子は育児休暇中、30代女子が不在で、あとは40代、50代、60代。
ユキコ調べによると、一部のラインまでその方は女性であれば、すべて「おねぇさん!」と呼んでいるが、、、、あっ、もうここからは口をつぐもう。
見ざる🙈聞かざる🙉言わざる🙊を徹しよう。
うん、それがいい。
ただでさえ、最近、角(カド)しか立ててない女。
うん、「わかりません」「ごめんなさい」「そうなんですか〜?」に徹しよう。
うん、それがいい。
そうしよう。
アレッ?ららちゃん、いたの〜♥
ら「ユキコ、角(カド)ってなぁに?ららの耳のこと?」
ユ「ららちゃんの耳はツノじゃなくて、ただの耳だよ。」
ら「ただの耳?」
ユ「そうだよ、ありのままの耳。あるがままの耳。」
ら「ふ〜ん。」
いやいや、ららちゃん、そこでふ〜ん。と言ったら会話が終わるから、そこいらで「ららの耳は食べられる?」とか言って、私が「パンかよ!」
と、ツッコんで終わるオチにする展開だったんだけどさー。
ら「ふ〜ん。」
エッ???
ま、いーか。ららちゃんだってしゃべりたくない時もあるもんね。いいんだよ。わかるよ。人間だもんね、アッ!ららちゃんは人間じゃなかった、ぬいぐるみだった。いやいや人間でもアルパカでもね、私だってね、 アレッ?
私、独りでしゃべってますか?