「帰ろかな、帰るのよそうかな」句を詠む。

職場の利用者、タカシマさん（仮名）。

「おーいおーい」と呼ぶのが口癖。

訪室して、聞くと
「何でもありません。」と仰る。
その直後から、また「おーいおーい」が始まる。

タカシマさんは女性の名前を頻回に呼ぶ。

「郁恵ちゃーん。」の日もあれば、

「恵子や〜。」の日もあれば、

「綾子〜。」の日もある。

（※全部、仮名です。）

初めて聞いたばかりの時は、とっかえひっかえ女性の名前が出てくるので、さぞかし女性に不自由せず、潤った華のある生活（笑）をしていたのかな？と思って先輩職員に露骨にも「愛人とかですかね？」
と、直球を投げてみたのですが、ちゃんづけの方は奥様で、あとは全部娘の名前だと教えてくれました。

深夜の時も「恵子や〜。」と呼ばれたので、
つい、
「お父さん〜」と声をかけてしまった。
恵子になりすましてしまった！

先日は「おーい綾子〜。」とおっしゃっていたので、「綾子じゃないけど、ユキコだよ。」と
言ってみたら、少しの沈黙があって、
「そうか〜」と仰った。

「綾子じゃないけど、ユキコでもいい？」と聞いた、
「いいですよ〜」と仰った。
いいのー？笑

「さるまた、みますね〜」と
いつもの声かけをして、オムツ交換をさせて頂いた。先輩職員に、こう声かけすると、拒否なくオムツ交換をさせてくれるとのこと。

歌好きだというタカシマさんは、今日もお元気に北島三郎を聞いている。
時折、この部分だけ歌われる。
「♪帰ろかな〜帰るのよそうかな」

北島三郎「帰ろかな」
https://youtu.be/zYIEEh8UpO8

「夕焼けて帰るのよそうか帰ろかな」柚貴

北島三郎さんのフレーズが気になり、
夕焼の季語で、作ってみたけど、
先生から再考！となったので、また考えてみます。

おーいおーいと仰り、他の利用者さんに
「うるさいっ！」と叱られるけど、
私はこの声を聞くと、あぁ今日もいつもの声が出ていると安心する。

うちの施設もコロナの感染予防対策で、まだ面会も控えていただいている状況。
早く娘さんと会えますように。

ららちゃんも祈る想いだ。